ソプラノ川上真澄のオペラな生活

ソプラノ歌手の日常を。

邦楽と洋楽

明治の時代に学校教育が始まって、音楽は西洋のもの一辺倒でやってきたのが、最近では邦楽も少しずつ取り入れられているようですね。

とはいえ、触りくらいなものでしょうけど。

 

息子が篳篥(ひちりき)のテストがあるということで、お茶を持っていきました。リードをお茶で濡らすんだそうです。

篳篥の音というのが、これはもう、けたたましく、しかも音程が取りづらいという代物。

枕草子にも「いと憎し」と揶揄されているそうですから、昔も今も篳篥に対する思いは、あまり変わらないのかもしれません。

 

篳篥は音程が取りづらいだけでなく、全体にずり上がって音に到達し、本当にその音でいいのか?と思う高さに音が到達(ヘルツの違いかも)する楽器。というか、邦楽は西洋音楽の音階とは違うので、根本的に西洋音楽の耳で聞いてはいけないんでしょうね。ドレミで慣れてしまってるので、どうしても気持ち悪さを感じてしまいます。

 

で、試験を終えた息子。

「よく篳篥で、ここまで正確に音を出せますね」

と言われたそうなんです。

 

 

これって、篳篥らしくないってことじゃない?

 

篳篥で西洋音階に近づく演奏をしたんだろうなぁ…

ある意味、凄いというか。

 

 

ずり上げる歌い方は演歌で顕著に見られますが、邦楽の特性なんでしょうね。

もちろん、私が教える時は生徒さんには封印して貰います。