止まって待ってます
ボエームの譜面とにらめっこしているソプラノ歌手・川上真澄です。
来年4月14日に稲城市民オペラで上演する『ラ・ボエーム』に出演します。
先日の稽古で、児童合唱の子どもたちが意外に音楽記号を知らないということに気付き、楽譜に出てくる記号をホワイトボードに書いて簡単に説明しました。
フェルマータって、覚えてますか?
この記号です。
何となく「伸ばす」って覚えてません?
これね、意味は
「止まれ」なんですよ。
止まるんですが、演奏を止めるのではありません。フェルマータが付いてる音のところで止まる。なので、音は出したまま。(休符にフェルマータが付いていたら、休んだまま)
止まる長さはそれぞれです。長かったり、短かったり。
イタリアでは、バス停をフェルマータと呼びます。そこでバスは止まりますでしょ。止まる長さはそれぞれですね。乗り降りのお客さんが多かったら長くなります。だから楽譜上のフェルマータも長さは色々。
これを倍に延ばすものだと教えられた人もいました。倍とか3倍とか、結果としてそのくらい延ばしたとしても、そういう認識ではないのです。
「止まる」んだから、拍は数えないという考え方。(実際は人と合わせるために数えることもありますし、数えずに息で合わせたりします)
楽譜を見ていたら面白いところがありました。
7人で歌ってる箇所で、ある小節にフェルマータが付いていました。でも、同じ位置ではないんです。2拍目頭に付いてる役もあれば、3拍目だったり、更に遅れて3拍目半だったり。
たまに庭で譜読みします
なので、先にフェルマータが付いてる人は、その音で止まって他の人を待ちます。みんな揃って次の小節に入るんですから、先にフェルマータで止まった人は他の人が追いつくまで待ってます。
合わせるのが楽しみになってきた。
ソリストの音楽稽古は年明けからです。