ソプラノ川上真澄のオペラな生活

ソプラノ歌手の日常を。

歌は

私にとって『歌』は祈りと同じと思ってます。

中には『人生』だという方もいらっしゃるようですね。

 

確かに私にとっても歌は『人生』なのですが、そう言ってしまうとかなり『個人的』なものになってしまうように感じて、少し違うんじゃないかと思います。

 

「魂の入れ物になる歌を」と、私に言ったのは旦那ちゃんです。色んな人の思いを受け止められる歌を、ということです。

 

『祈り』というのは、自分のためだけに祈るものではないです。もしかしたら、これはカトリック信者でないと感覚的には分からないことかもしれません。ミサでは毎回、人のために祈ってます。ロザリオの祈りの時もそうです。

自分のことをお祈りしたい時は、聖人とかマリア様に『取り次ぎ』をして頂く形で祈ってます。つまり、他の人に自分のことをお祈りして貰うような感じです。

面白いもので人に祈って貰うと『効く』んですよ!だからなのか私たちは「あなたのこと、お祈りするね」とお祈りし合います。

『祈り』は色んな人の魂の受け皿なんですね。

 

そうやって考えると私にとっての歌は『祈り』なんです。

自分の満足のために歌うのとは、ちょっと訳が違うのですね。