ソプラノ川上真澄のオペラな生活

ソプラノ歌手の日常を。

発声のこと。

そういえば、発声のこと、どんな風に教えているか、などブログに挙げることはあまりしてませんね。

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マンツーマンのレッスンであれば、それぞれなのですけど、カルチャーや市民オペラとなると数人対私…。どちらかと言えばマンツーマンの方がその人に起こっていることを分析しながら対策を考えられるので合っているのかもしれません。

が…

疲れますね。

 

最近はともかく、何はともあれ、

『喉を開けること』

こればっかり言ってます。

 

これは私がそうだったからよく分かること。

喉が開いていても、それだけじゃいけないんですけどね、

 

怖いんですよ。

喉を開けるのって、怖いんです。

 

喉を開ける以外にもっとたくさんやらなきゃいけないことってあるんですが、

結局、喉が開いてないと意味無いよなぁ…となって、

また元に戻って『喉を開けて』ってなるんです。

 

喉を開けるのは説明が割と簡単なのですが、おでこが開くことに関しては難しい。これができたら高音ピアニッシモが出来るようになります。

とっても感覚的なものなので、教えるのも教えられる方もナンジャラホイ?な感じ。私のおでこを開けてくれた先生は「おでこ、開けなさい」しか言ってなかったです笑

 

で、レッスン中に何度か開いた瞬間はあったんだと思います。その度に先生に「それよ!」「その感覚を忘れないで!」と言われていたのですが、たまたま開いただけなので、当の本人は全く分からず…

 

この感覚がなかなか分からなくて、生まれて初めて自力で開いた!と感じたのは40歳の時でした。いささか時間が掛かりました…(そうは言っても開かずに終える人が多いのですから幸せだと思います)

 

この瞬間のことは今でもハッキリ覚えています。何の歌のどの部分だったのか、も。私の場合、子音のPがきっかけになってくれたようです。

それまでと声の出し方の感覚が違って、曇りが取れて、やっと掴んだ!という感覚がありました。

もちろん、勉強は続けていってますが、やっと自分の中に確固たるものが出来たと独り立ちした瞬間でもありました。