ソプラノ川上真澄のオペラな生活

ソプラノ歌手の日常を。

見学NGなんです

合唱団の活動とかサークル活動とか、大体のところが見学OKにしてると思います。どちらの団体も新規会員さんが増えるのは喜ばしいことですものね。

 

ところが、ですよ。

稲城市民オペラは見学はお断りしております。

 

これまでは見学OKにしてたんです。ソリスト稽古も要望があれば、という感じで。

ただこれは、やはりソリストさんには不評でした。見せてもいい稽古もあるのですが、一番苦しい時に見学されると稽古にならないのです。

 

私自身、学生時代に某歌劇団の稽古を見学させて頂いたという何とも恵まれた環境に居たので、後に続く人には…という思いがあったのです。

私がその時に見学出来たのは、稽古の中でも「見学をしてもいい」という時期だったのかもしれません。

当時、目を掛けてくださってた先生が出演されてたオペラで、たまたま通り掛かった私に「お!真澄、見学していくか?」なんて軽〜く声を掛けてくださって。しかもその演目が蝶々夫人だったのでビービー泣きながら見学させて頂いて…主演のソプラノの方に「泣いちゃったの?」なんて言われて「飴舐める?」と飴を頂いたりして…

 

そしてイタリア滞在中には、自分のレッスンそっちのけで(偶然にもまた)蝶々夫人を歌うというソプラノに1ヶ月付きっきりで稽古を見学。

久々に行ったレッスンでは「あなた1ヶ月もレッスンに来なかったのに、どうして急に上手くなったの?」と。

私の場合、良い歌手の側にいる、というのが一番のレッスンだったみたいです。

 

それがなぜ、稲城市民オペラでは見学NGかと言うと、一番には団員、ソリストを守るため。より良い本番を迎えるためです。

 

なぜなら【稽古場とは恥をかくところ】だから。

作品に取り組み始めた頃はたくさん間違えます。そうやって覚えたり、より良い演奏が出来るようになっていきます。

出演しない誰かが見ているとなると、それはお客様がいるのと同じこと。誰しも恥をかいているところを見られたくはありません。誰かがいると恥をかきにくくなります。恥をかいて上達していくんです。良い公演にするためにも避けては通れない道です。

稲城市民オペラでは、稽古場で思いっきり恥をかいて、本番ではいいものをお見せしようと頑張っているのです。

 

そういうわけで見学はNGなのですが、体験参加はOKとしています。一緒に恥をかいて貰うのはOKなんです。

 

なのに、ですよ。

 

今回、見学OKの日を設定したんです。

それも2回も!!!

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日本を代表する指揮者と演出家の稽古。

それが無料なんですから、これは必見です!!