ソプラノ川上真澄のオペラな生活

ソプラノ歌手の日常を。

みんなで歌う

夏のことなんですが、母のお供で、ある方のコンサートに行ってきました。私が物心つく頃にはご活躍されてた方の。

 

来てる人は母くらいの年代の方が多くて中には小学生くらいの男の子とか。男性もいましたし、ファン層の幅広かったこと。

 

クラシック以外のコンサートは滅多に行きません。初めてです。

あの大音量…びっくりしました。耳が壊れるかと思いました。あれ、難聴にならないんですかね?不思議です。照明の演出もピカピカ、ビカビカして最初から圧倒されまくり。

 

そして何より、みんな立つ…

え?見えないんだけど。しょうがないから私も立つ。

 

そしてビックリ、みんな踊る。

え?え?振り付けがあるの???

 

しばらく突っ立ったままでいましたけど、それじゃ面白くない。見様見真似で私も踊りましたわよ。

 

コンサートというと「音楽を聴く」ものと思ってましたが、音楽を聴くというより「リズムに乗って身体を動かす」「目と耳に激しい刺激を与える」そういうもののようです。音楽的にどうこうとか、そういったものは皆さん求めてないのね。

よく、歌謡曲の歌手で「誰それは下手」なんてことを聞きますけど、上手い下手を求めちゃいかんのではないでしょうかね。音楽的に上手なものは歌謡曲に求めちゃいかんでしょ。あれは味わいを楽しんだり「人そのもの」を楽しむものですよね。

 

クラシックの人間は音楽的にどうだこうだと突き詰めて、オペラに至ってはそこに演技などの要素も加わって、お客様はそれを楽しむ受け手側になるんですが、

そうねぇ…「音楽的な面白さ」って、育んでいかないと分からないんですよね。そこが「とっつきにくい」「高尚である」なんて思われるんでしょうね。

 

でも、何でもそうですよね。ある程度のお勉強は必要というか。ま、勉強とは思ってないし、勉強じゃあ無いんですけどね。スマホ扱うにしても、やり方を知らなきゃ楽しめないわけでして。

 

確かに刺激の強いものの方が、簡単に楽しめるんですが簡単じゃないものにも面白さはある。

 

もちろん、クラシック以外のものがよろしくないと言ってるのではなく、そればっかりになってもつまらないだろうな、と思うのです。今は色々楽しめていいですね。

 

先日、友人が主催している「歌声喫茶」に行ってきました。ご年配の方が集まる会で、皆さん楽しそうでした。こんな素敵な活動をしている友人を誇りに思います。

みんなで歌うって、楽しいんですよね。私たち夫婦が主宰している稲城市民オペラも合唱は素人さんたちですが、これもホントに楽しそうです。ただ、簡単に歌えるものではないので、歌えるようになるまでが大変。

歌声喫茶」のように気軽に誰でも歌えるようなものも必要と思うし、ちょっとハードルはあるけど、というものもいいと思う。

それを「難しいから」と敬遠されるのは残念だなぁ。