歌い出しが休符
ソプラノ歌手・川上真澄です。
カトリック教会のミサに出ていますと、休符で始まる曲に出くわすことが多いように感じます。
それは主に昭和の時代に日本人によって作曲されたもので、ざっと典礼聖歌の楽譜を見てみたら…
全て高田三郎さん作曲のもの。
休符で始まる曲は他にもあったんですが、よく歌われるものを並べてみたら、見事に高田三郎さんのばかりでした。
で、その休符で始まる曲。
それらを皆で歌うのですけどね、どうもその休符の感じ方が甘いのですよ。4分の4拍子で最初に4分休符(あまり見かけないけど)ならば、さほど感じないのかもしれませんが、8分休符ですと、その「ン」の間を感じないで少し早めに歌い出す人がいたりして、とても気持ちが悪いのです。
そもそも何で歌い出しに8分休符なんて置いたのか、そこには当然作曲家の意図があるわけでして、恐らくそれは「憧れ」や「願い」などを強める効果があるんじゃないかと感じるのです。
そうするとね、歌い方が変わるし、ぶっきらぼうになんて出られないのですが、そんなことまで考えて歌っている人なんておりませんわね…
でも、音楽が指し示すものは何となく感じ取っている人もいるでしょうし、それこそ音楽の力なんでしょうね。
それにしても高田三郎さん、こんなにも休符で始まる曲が多かったとは…
ある種の手癖なんでしょうか。
しかも4曲中、3曲は途中で拍子が変わっています。違和感なく歌ってるのは日本語のリズムに合ってるからでしょうね。