ソプラノ川上真澄のオペラな生活

ソプラノ歌手の日常を。

ピアノ曲が多くなる(コンサート・その4)

クラシックの名曲にアヴェ・マリアの祈りを歌詞としてアレンジする。

 

やはり、ピアノ曲が多くなってしまいました。

歌はほとんどがピアノと一緒に演奏します。ピアノ曲ですと、原曲をそのまま伴奏として、旋律を取り出して歌う箇所とした方がアレンジとしては楽なのです。

オーケストラの曲ですと、まずはそれをピアノ伴奏用にアレンジ、旋律を取り出して…ということをせねばなりませんから。

まあ、そんな大変な作業は作曲専門の方にお任せするとして、オケの曲はピアノ用にアレンジしてあるのを使いました。そこに足りない音を足したり、更にアレンジしたり。それは今回ご一緒したピアニストが得意にされてるので、自由にお願いしました。

 

亜麻色の髪の乙女、春の歌、別れの曲、ベートーヴェン『悲愴』、乙女の祈りアヴェ・マリアに。

これらの曲に限らず、ピアノ曲というのは素敵な歌いやすいメロディで始まったとしても、ピアノ用の曲なので当たり前と言えば当たり前ですが、和音や複雑な音形を聴かせる部分が出てきます。とてもじゃないけど、歌うとするとどうしよう?という箇所。

それらも上手い具合にまとまって満足しました。

 

実は今回お披露目した13曲の他にも着手しているものもありましたが、何曲かは挫折しているのです。音域が広すぎたり、音形が声楽的でなかったり、ピアノにアレンジされてる楽譜が手に入らなかったり。

 

音域が広いものに関しては調を変えるなどして対応しましたが、なるべく原調で歌うようにしました。なので、少し低いですがショパンの『別れの曲』は原調で。

転調させるにしても、シャープ系はシャープの調に、フラット系はフラットに。音域の調整が上手くいくと、あとはすんなり進みます。

 

簡単に移調させてるようですが、調には『色』を感じます。ホ長調は私の中では黄色のような感じがします(桃色だと言ってる方が多いですが)

なので、あまりにも調が変わってしまうと別な作品のようで…

でも、どうせアレンジしてるのですから、それは気にしなくていいのかもしれませんね。

 

旋律は、面白いことに個々で感じているメロディが違うのです。ピアニストが提示してきた旋律、私が取り出した旋律、お互いに「え?その音?」ということもありました。どちらも間違いではないのです。和音の中で鳴ってる音なので。でも、聞き手によって受け取り方がこうも違うのだというのを目の当たりにして、面白い発見でした。