ソプラノ川上真澄のオペラな生活

ソプラノ歌手の日常を。

クリスチャンネーム

カトリック信者はクリスチャンネームを洗礼の時に付けます。当然ながら幼児洗礼では自分の意思で名前を付けることができません。この場合は、中学生くらいの時に堅信の秘跡を受け、新たに名前を付けることができます。なので私も娘もクリスチャンネームは二つ。

大人になって洗礼を受ける人や、堅信を受けても洗礼名のままでいいという人は新たに名前は付けません。夫と息子はクリスチャンネームは一つです。

 

クリスチャンネームは、聖人や天使から頂きます。女性は女性の聖人から、男性は男性の聖人から大抵は頂きますが、女性が男性の聖人から頂きたい場合、その名前を女性形にして付けます。逆も然り。

 

分かり易い例で言うと、マリオ(男性)はマリア様から。あのマリオブラザーズのマリオは、有り難い名前なんですね。最強です。

大天使ミカエル(男性)は、女性に付ける場合はミカエラ、聖ルカはルチア、といった具合にです。

 

で、聖人って、守護してる対象が色々ありまして。

例えばですが、

大天使ラファエルは医者とか、旅人とか。

音楽の守護聖人聖セシリア。画家の守護聖人は聖ルカ。

 

西洋の絵画を見ると聖人はその人生での出来事やその守護するものに関係する形で描かれています。

一番分かり易いのはマリア様でしょうか。

エス様を抱っこしてる像や絵はたくさんありますね。究極の聖なるお姿として描かれてます。

一方、マグダラのマリアはとっても官能的に描かれています。この二人のマリアは対照的です。

 

聖セシリアは音楽の守護聖人なんですが音楽に関係した人ではなかったそうで…。聖人を描く時に彼女にシンボルがなかったので、オルガンを弾かせてみたとかいう話を聞いたことがあります。それがきっかけで音楽の守護聖人になったとか。(そんなんでええのかい)

 

で、ここまでが前振りね。

 

いつだったか信者の知り合いとクリスチャンネームって、その人に何らかの影響を及ぼしてるよね?

なんて話したことがありました。

 

となると、私はマグダラのマリアなんですが、

 

 

あんな官能的でないよ。

 

 

マグダラのマリアはイエス様が十字架につけられる前にイエス様の足に涙を落とし自分の髪で涙を拭い、香油をイエス様の足に塗ったという話があります。

髪で…といったあたりが官能的なんでしょうね。

 

香油を塗ったということで、描かれる時は香油壺を持っていたりします。また、亡くなったイエス様に香油を塗るためにお墓に行って、復活したイエス様に一番最初に会っています。そういうわけで彼女は香水製造者の守護聖人なんです。

 

香水を作っているわけではないですが、最近また精油を買い足しました。

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私の密かな楽しみの一つ。

彼女が香油に関係あるということで、共通点…なのかしら、これは?

 

で、

マグダラのマリアは、

 

改悛した娼婦

守護聖人でもある。

 

聖書に出てくる名もない罪のある女の人と混同されて、娼婦だったとみなされてたりしました。

そういうわけでスッポンポンに描かれてたりもします。

 

これは、聖なるマリア様を裸にするわけにいかないから、絵画の題材としてちょうど良かったんじゃないかなぁと思ったり。

 

で、マグダラのマリアの絵がないかなぁと調べていたら、

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カルロ ドルチの描くマグダラのマリア

香油壺を持ってますね。そしてこの赤はマグダラのマリアの色なんだとか。

なんて愛らしいマッダレーナ。

ダビンチ・コードではイエス様の奥さんとして描かれていました。

ちなみに、マグダラのマリアは、イタリア語読みでは「マッダレーナ」フランスでは「マドレーヌ」英語だと「メアリーマグダーレン」と呼ばれます。

 

カルロ ドルチって、どこの画家?と思ったら

 

フィレンツェ‼️

何年も住んでいたフィレンツェ‼️

知らなかったよ、なんてこったい‼️

この絵はヴァザーリの回廊にあるとか。

 

そして私の堅信名でもある聖セシリア

オルガンの前にいます。

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この絵もカルロ ドルチ作。

 

セシリアの話はまた今度。