ソプラノ川上真澄のオペラな生活

ソプラノ歌手の日常を。

クレクレさんの面白い現象

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先日、無料で演奏しろと言われたと友人が憤慨してまして、それで前に面白いというか、不可解というか、不思議な出来事があったのを思い出しました。

 

その方は「予算が無いのでお金は出せないのです」と言いながら依頼してくるんです。当然ながら私はお断りしてるんですけど、

 

過去に一度だけ、こちらが損をしてもそこで演奏をさせて頂きたいということがありました。

 

で、もちろん先方に出費させることはなく、演奏させて頂けないかお願いしてみました。

いつも無料で歌えと言ってくるんですから「いいですよ」のお返事。

 

その企画は私一人の演奏ではなく、ちょいと規模の大きいもので私以外にソリストは二人。

 

それが本番の押し迫った1ヶ月切ったくらいでしたでしょうか。

 

その人が殊勝にも

「もし、この企画にお支払いするとなったらお幾らなんですか?」

と聞いてきたんです。

 

もちろん、こちらは一銭も頂きませんという約束だったので向こうが用意してもお断りするのに、どうしたんだろうと思いながら正直に答えたんです。

 

ソリスト三人ですからね、数万円です。

 

そしたらね、

「ひぇぇぇぇ!そんなにお支払いできませーん」

と言って、

 

「この企画、辞退させてください!!」

 

 

もうビックリですよ。

こちらは一銭も頂きませんって言ってるにも関わらず。それに、いつも無料で演奏してくれと言ってくるのに払うつもりだったんでしょうか?不可解です。

 

無料でというお話でしたし、他のソリストに依頼してる都合上、現時点で企画を流したらそのソリストにお支払いしないといけなくなるので、と説明して企画はそのまま続行。

 

値段を聞いて申し訳なく思ったんですかね?

 

これがきっかけで「無料でクレクレ」が止むかもしれないと思っていたんですが、それからしばらくたって、

 

「ちょっと歌いに来てくれない?」というご依頼。

あれれ?

 

軽ーい感じのご依頼だったので、

「身体が空いてたらね!」とお返事したら

 

「そう?じゃ、チラシに名前載せていい?」

 

コラコラコラ!

それはいかんとお断り。

 

ご依頼主様は、

ちょっと遊びに来て、軽く歌ってくれればいいから!軽ーい気持ちで来てよ!そんな謝礼とか出さなきゃいけないほど歌わなくていいからさ!(私が)顔を出して、ちょっと歌えば皆んな喜ぶから!って、そんなノリ。

 

なので、

「暇だったら行くね!」と、私も軽ーいノリでお返事。

 

そしたら、チラシに私の名前を載せたらみんな集まってくるから載せていい?とな。

 

おいおいおい。

 

集客があれば売り上げは多少なりともアップするんですよ。私の名前を利用するんなら、ちゃんと謝礼しましょうね。

 

「謝礼も出ないものに責任は持てないのですよ。身体が空いてたら行くかもしれないです。行くか行かないかは、その日次第です」

と言っておきました。

 

結局、その一週間後に大切な本番が控えてたので行きませんでした。

 

 

この方、アマチュアサークルでご自分も楽器をやってるんです。

あるところの企画でアマチュアの方を探していたので、この方をご紹介したことがありました。

その企画では交通費程度の謝礼が出るものだったんですが、自分は無料でやってもらってるからって辞退するかなぁと思ったんですけどねぇ…

入場無料の企画で多少なりとも謝礼金を用意してやっているところを知ったら、ご自身の考え方も変わるかなぁと思っていたんですが甘かったですね。