ソプラノ川上真澄のオペラな生活

ソプラノ歌手の日常を。

人の名前を借りる(コンサート・その2)

アルビノーニアダージョカッチーニアヴェ・マリア

どちらも、タイトルの名前の人が作曲したものではありません。

 

もう!騙されてましたよ、私!!!

 

アルビノーニは、R.ジャゾットというイタリアの音楽学者によるもの。

図書館で断片を見つけて、それを元に作曲したとジャゾットさんは言っていたようですが…それはどうやら嘘だったみたい。

 

カッチーニの方は、V.ヴァヴィロフというロシアの人が作ったそうで。

 

1995年くらいに急にブームになって出回った曲です。とっても素敵なメロディで、しかも歌詞がアヴェマリア、ああ、アーメン、これしか無いので楽譜が手に入ったら誰もが手軽に歌ったような…

 

カッチーニはイタリア古典歌曲の『アマリッリ』を作曲した人。すっごーく古臭い(ごめんなさい)歌です。いや、曲としては素敵な曲ですよ。いい歌です。

で、カッチーニアヴェ・マリアと呼ばれるこの曲、とってもモダンなんです。

カッチーニ作曲ぅ?アマリッリのぉ?

なんですが、まんまと騙されてました。

メロディだけ残っていて伴奏部分を現代的にアレンジしたのかな、と思ってました。

けどね、よくよく考えてみると「アヴェ・マリア、ああ、アーメン」だけの歌詞なんて、この時代では考えられないですよ。やはりちゃんと、Grazia plena…と、先まで繋げないと。

 

人の名前を借りて世に出す、よくあったみたいですね。

その逆もあって、他の人が作曲したのを自分の作品として世に出すというもの。数年前に日本でもありましたねぇ。しかも目が見えてないとか言ってたのに見えてたとか…