ソプラノ川上真澄のオペラな生活

ソプラノ歌手の日常を。

教えること

カルチャーでの講師歴は来月で丸12年になります。

3年で辞めてやる!と最初の頃は言ってたんですが辞めよう辞めようと思いつつ、早12年です。

 

カルチャーで教え始めた頃、店長さんに最低人数を決められ「これを下回ったら教室を閉めましょう」と言われていました。ですが、もうとっくに最小人数を切っています。今の店長さんからは何も言われません。というか、このご時世、通ってきてくださる方がいるというのは有り難いと言ってました。そういうわけで生徒さんがいなくならない限りは存続です。

 

私もなぜ辞めないのか…って、生徒さんに「辞めないで!」と言われてるから。

ユルユルとやっているので、もはや歌のレッスンだとは思ってないです。(いいのか…)

が、たまに本気を出すんです。生徒さんにとってはいい迷惑っぽい。

で、素敵な曲があったので少し頑張れば歌えるかなとレッスンしたら「難しすぎて歌えません。無理です」とお蔵入りしました。

f:id:sop-masumi:20210222091847j:image

何が難しいのかと考えたら、ちょっと技巧的なんです。無理な高音が出てくるわけではないけれど、少しアジリタっぽいというか、カデンツァっぽいというか。音がいっぱいあるのって生徒さんにとっては歌い辛いのですかね…。

音符がいっぱい並んでるから拒絶反応を起こされたのかも。いい演奏を聞かせたら“憧れ”が生まれてやりたくなったかも。つまり私の指導能力不足か…

生徒さんにとって、どこまでが大丈夫なのか未だに分かりません。

 

カルチャー以外には個人レッスンをすることもあります。

言葉が読めなかったり、リズムが全く分かってなかったりして、本来の声楽のレッスンが出来ないこともあります。そこがクリアされなきゃ、歌うところまでいかないのです。私としてはそれでお金を頂いていいのだろうか?と申し訳ない気持ちになるのですが、そのレベルまで来てくれないと何も出来ないので仕方ないです。例えて言うと、走り方を教えるのに立つのもままならない状態というか。

 

しかもレッスンとレッスンの間に何もしてこない(ように見える)そういうものなんでしょうか…

これでは上達は望めないのですよね。(いや、もしかしたら上達は望んでないのかもしれない)

 

レッスンに付き合ってくれるピアニストは「為になって面白い」と言ってくれるので、それが救いというか何というか…なんだか複雑な気分です。