ソプラノ川上真澄のオペラな生活

ソプラノ歌手の日常を。

ソプラノの我儘のせいじゃないのね!

オペラ「愛の妙薬」の稽古に入っています。

先日の合唱団の稽古では副指揮の方による楽曲アナリーゼでした。

エストロ稽古で「ドミナントだから」とかいう言葉が飛び出し、団員さん一同、ポカーンだったんです。そりゃそうでしょう。音大でも行かなきゃ聞かない言葉だと思います。私も久しぶりに耳にして苦痛だった、いや、チンプンカンプンだった和声の授業を思い出しました。で、マエストロの稽古を無駄にしないためにも講義の時間を。

 

ソリスト4人と合唱で歌う箇所で、どうしても、どうーしても、私、ブレスをしなきゃ持たないというところがあるんです。

そこは息をたくさん使って歌い、苦しくなってきたところで更にもっと息を使いたくなる音形なのです。私と違う音形の皆さんは吸わずに行けるだろうけど私は吸わなきゃ死にそうよ?という箇所。

皆さんに合わせてコントロールすればいいんだろうし、実際それは可能だけど、コントロールすることに特化した歌い方になったら「クソつまんねー」ってところ。トリルしながら音を駆け上がって行くところですよ。

いつだったかの稽古でも「ここはアディーナがブレスを取るので、皆さん待ってください」と言われていたし。

 

私の我儘で待たせるのか…

なんて思ってましたけど、

「ここはブレスを取るようにドニゼッティが書いている」んだそうです。

ええ、私、感覚でブレスしてましたけど、ドニゼッティに操られていたんです。

 

あ、よく見たらネモリーノも同じ音形でしたね。(ブレスした後、アディーナは細かい音符が続くので更に支えが必要ですが)

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オペラの中での「当たり前」を、楽曲分析という形で解説されると安心します。歌い手は(というか私は)感覚で歌ってしまう部分が多いので…

 

公演は2020年5月5、6日です。

私は6日に歌います。

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