あなたのいない地球は淋しい
5年前にチマッティのアヴェマリアを歌ったカトリック碑文谷教会。
二階のパイプオルガンと一緒に演奏したんでした。
その時のオルガニストでもあり、
私のCDのピアニストでもあり、
イタリアへ一緒に招聘演奏に行ったピアニストでもある石川百合子さん。
大好きな石川さんが帰天されました。
葬儀は5年前に歌いに行ったカトリック碑文谷教会。
石川さんに出会ったのは5年前。彼女の人生の最後の5年間、濃い5年間を過ごしました。
まさかこんなに早くお別れがくるなんて。
亡くなる2日前にお見舞いに行った時はそんなに悪くなさそうだったのに。来週また来るね!と言ってお別れしたのに。
お見舞いでは「足が冷たいの」という石川さんの足を手で温めて、さすってあげて、
それで足を入れて温められるマフのような物をネットで探して探して、これならきっと喜んでくれるというのを見つけて注文していた時間に旅立ってしまいました。
チマッティの月命日のミサでオルガンを担当されてて、ミサの後はいつも「素敵な歌声が聞こえてきたと思ったらあなただったのね!」と満面の笑みで。
そうして時間のある時は二人でランチにも行って。
2016年は年明けから何回も、何回も、CD録音のための練習で石川さんのご自宅に通い詰めて、練習にとことん付き合って頂き4月にはCD録音、そのまま突入したオペラ「細川ガラシア」の稽古。10月のガラシア公演では主人も娘もお世話になって、11月には一緒にイタリアへ招聘演奏に行って…
この前の4月のボエームにだって見に来てくれて、あんなにお元気そうだったのに。あっという間でした。
私たち夫婦がお見舞いに行った次の日の夜に容体が急変して、その次の日の朝には天へ。
まるで私が来るのを待っていてくれたようでした。
石川さん、ありがとう。
私の音楽人生で貴重な5年間となりました。
私たちは一生掛けてやることを駆け足で1年間で済ませてしまったような感じでした。
もうあの笑顔に会えない、あの明るい声が聞けない、あのチャーミングな人柄に触れられない、楽しいお喋りも出来ないのは本当に淋しい。
ありがとう、ありがとう。